【社会的養護】施設の種類と対象年齢・根拠法 完全整理

社会的養護の10問のうち、施設の種類と根拠法は毎回といっていいほど出ます。しかも問われ方が「対象年齢」「根拠条文」「第一種か第二種か」「誰が入所を決めるか」の4パターンしかないので、1枚の表を完成させれば安定して取れる領域です。

逆に言うと、この表があいまいなままだと、児童心理治療施設と児童自立支援施設のような紛らわしい2つを毎回落とします。ここでは根拠条文まで含めて一気に整理します。

まず1枚の表:施設×対象×根拠条文×事業種別×措置主体

すべての土台になる表です。印刷するならこれだけで足ります。「入所措置の主体」は、実務上その決定を行う自治体を示しています。

施設・事業対象根拠条文(児童福祉法)社会福祉事業入所(委託)を決める主体
助産施設経済的理由により入院助産を受けられない妊産婦第36条第二種都道府県・市・福祉事務所を設置する町村(第22条)
乳児院乳児(保健上、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には、幼児を含む)第37条第一種都道府県(児童相談所)=第27条第1項第3号措置
母子生活支援施設配偶者のない女子等とその監護すべき児童第38条第一種都道府県・市・福祉事務所を設置する町村(第23条)
保育所保育を必要とする乳児・幼児第39条第二種市町村(第24条第1項)
幼保連携型認定こども園満3歳以上の幼児および保育を必要とする乳児・幼児(教育と保育を一体的に提供)第39条の2第二種—(保護者の申込みによる利用施設)
児童厚生施設児童一般(児童館・児童遊園)第40条第二種—(利用施設)
児童養護施設保護者のない児童(乳児を除く。特に必要な場合は乳児を含む)、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童第41条第一種都道府県(児童相談所)
障害児入所施設障害のある児童第42条第一種都道府県(児童相談所)
児童発達支援センター障害のある児童(通所)第43条第二種市町村(通所給付決定)
児童心理治療施設環境上の理由により社会生活への適応が困難となった児童第43条の2第一種都道府県(児童相談所)
児童自立支援施設不良行為をなし、又はなすおそれのある児童および環境上の理由により生活指導等を要する児童第44条第一種都道府県(児童相談所)/家庭裁判所の保護処分による送致もある
児童家庭支援センター地域の児童・家庭(相談)第44条の2第二種—(相談機関)
里親支援センター里親・里親希望者・委託児童(相談援助)第44条の3第二種—(支援機関)
自立援助ホーム(児童自立生活援助事業)義務教育終了後の児童等第6条の3第1項第二種都道府県(本人の申込みによる実施/第33条の6)
ファミリーホーム(小規模住居型児童養育事業)要保護児童(定員5人または6人)第6条の3第8項第二種都道府県(児童相談所)=里親と同じ第27条第1項第3号措置

ここが出る

第一種社会福祉事業は6つだけです。乳児院・母子生活支援施設・児童養護施設・障害児入所施設・児童心理治療施設・児童自立支援施設。共通点は「入所」させる施設であること。ただし助産施設は入所施設なのに第二種保育所も第二種という例外を必ずセットで覚えます。

語呂で押さえるなら「乳・母・養・障・心・自」の6文字。この6つ以外に第一種はありません。

乳児院と児童養護施設の年齢:条文は「乳児」「乳児を除く」だが例外がある

いちばん狙われるのがここです。条文の書きぶりは次のようになっています。

施設条文上の対象実際の運用
乳児院(第37条)乳児(保健上、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には、幼児を含む0歳から、必要に応じて就学前まで在籍できる
児童養護施設(第41条)保護者のない児童(乳児を除く。ただし、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には、乳児を含むおおむね1歳から18歳未満(乳児院からの措置変更で2歳前後の入所が多い)。必要な場合は乳児も、また措置延長で20歳未満まで

引っかけポイント

「乳児院は0歳児のみが対象である」「児童養護施設は1歳以上が対象である」という選択肢は、どちらも誤りです。両方の条文にかっこ書きの例外があり、乳児院は幼児も、児童養護施設は乳児も受け入れられます。この「かっこ書きを消して断定する」のが、この科目の典型的な引っかけの作り方です。

年齢の線引きは法律で固定された境界ではなく、必要に応じて動く——この理解が答えになります。

なお「乳児」は満1歳未満、「幼児」は満1歳から小学校就学の始期に達するまで、「少年」は小学校就学の始期から満18歳に達するまで(児童福祉法第4条)。この定義を混ぜてくる問題もあるので、あわせて確認しておいてください。

児童心理治療施設と児童自立支援施設:入口のキーワードで分ける

この2つを混同したまま本番に行く人が本当に多い。分け方はシンプルで、問題文に出てくるキーワードだけで判別できます。

児童心理治療施設児童自立支援施設
根拠条文第43条の2第44条
対象のキーワード社会生活への適応が困難/不登校、対人関係の困難、心理的な問題不良行為をなし、又はなすおそれのある児童/非行
提供するもの心理に関する治療および生活指導個々の状況に応じた必要な指導自立支援
利用形態短期間、入所または保護者のもとから通所入所または保護者のもとから通所
特徴的な入口児童相談所の措置児童相談所の措置に加えて家庭裁判所の保護処分による送致がある
歴史上の源流情緒障害児短期治療施設(2017年に改称)感化院→少年教護院→教護院(1998年に改称)。留岡幸助の家庭学校が源流
設置任意設置都道府県に設置義務がある

ここが出る

覚え方は「心理治療=不登校、自立支援=非行」。そして家庭裁判所が出てきたら児童自立支援施設。この2本立てで9割さばけます。

名称変更の歴史も出ます。情緒障害児短期治療施設→児童心理治療施設教護院→児童自立支援施設。旧名称のまま書かれた選択肢は、古い知識のテキストを見ている受験生を落とすための罠ではなく、単に「どちらの施設か」を旧名称で聞いているだけのことが多いので、旧名称も対応づけておきます。

施設ではない「事業」:自立援助ホームとファミリーホーム

自立援助ホームとファミリーホームは、児童福祉施設ではなく事業です。第7条に列挙される児童福祉施設のリストに入っていないので、「自立援助ホームは児童福祉施設である」という選択肢は誤りになります。

自立援助ホームファミリーホーム
正式名称児童自立生活援助事業小規模住居型児童養育事業
根拠条文第6条の3第1項第6条の3第8項
定員・規模小規模(数人)委託児童の定員は5人または6人
担い手指導員等養育者2人+補助者1人以上(または養育者1人+補助者2人以上)
入る経路本人の申込み(措置ではない)児童相談所の措置(里親と同じ扱い)
位置づけ自立支援家庭養護(里親等委託率の分子に入る)

引っかけポイント

自立援助ホームは措置ではなく本人の申込みで利用します。ここが児童養護施設との決定的な違いです。

2024年4月からは、児童自立生活援助事業の年齢上限の一律の制限が撤廃され、都道府県知事が必要と認める時点まで支援を続けられるようになりました。「22歳の年度末まで」という古い記述で作られた選択肢は、現在は誤りです。詳しくは児童福祉法改正のポイントを確認してください。

この2つを含む社会的養護の全体像と、それぞれの施設が何人のこどもを預かっているかは覚えるべき統計データで確認できます。

相談・支援の2つのセンター

児童家庭支援センター里親支援センター
根拠条文第44条の2第44条の3
いつから1997年の改正で創設2024年4月1日から児童福祉施設に
役割地域の児童・家庭からの相談、児童相談所からの指導委託、市町村への技術的助言里親支援事業、里親・里親希望者・委託児童への相談援助、里親とこどもの交流の場の提供、里親の選定・調整
事業種別第二種第二種

里親支援センターは2024年施行の新顔なので、法改正のからみで出題される可能性が高い項目です。第44条の3という条番号までセットで覚えておくと、条文問題でも取れます。

りわさんメモ

(ここに、りわさん自身が受験したときの実感・失敗・工夫を1〜3文で書き足してください。例:児童心理治療施設と児童自立支援施設は、キーワードだけを付箋に書いて風呂場に貼った。「不登校=心理」「非行=自立」と口に出して唱えたら、本番で迷わず選べた。)

まとめ:本番でこの順に思い出す

  1. 問題文に年齢が出てきたら、まず「かっこ書きの例外があるかどうか」を疑う
  2. 非行・家庭裁判所が出てきたら児童自立支援施設、不登校・心理治療なら児童心理治療施設
  3. 第一種は6つ(乳・母・養・障・心・自)。それ以外は第二種
  4. 母子生活支援施設は市町村レベルの窓口、それ以外の入所施設は児童相談所(都道府県)
  5. 自立援助ホームとファミリーホームは施設ではなく事業

条文そのものはe-Gov法令検索の児童福祉法、各施設の概要はこども家庭庁「社会的養護の施設等について」で確認できます。条番号に自信がなくなったら、必ず一次情報に戻ってください。

よくある質問

第一種社会福祉事業と第二種社会福祉事業の違いは何ですか?

第一種は利用者への影響が大きく、経営の安定性が強く求められる事業で、原則として国・地方公共団体・社会福祉法人しか経営できません。第二種は届出で経営でき、主体の制限がありません。児童福祉分野の第一種は、乳児院・母子生活支援施設・児童養護施設・障害児入所施設・児童心理治療施設・児童自立支援施設の6つです。

児童養護施設には何歳までいられますか?

原則は18歳到達までですが、必要がある場合は20歳未満まで措置延長ができます。さらに2024年4月からは、社会的養護のもとで育った人への自立支援が年齢で一律に切られない仕組みに改められました。「18歳で必ず退所」と書かれた選択肢は誤りと判断してください。

母子生活支援施設だけ入所の手続が違うのはなぜですか?

母子生活支援施設は児童福祉法第23条に基づき、母子が福祉事務所に申し込んで利用する仕組みだからです。児童相談所が親子分離を判断して措置する乳児院・児童養護施設などとは、そもそも入口の性格が違います。「母を含めて世帯ごと支援する唯一の施設」という点も合わせて覚えると混乱しません。

あわせて読みたい

タイトルとURLをコピーしました