【社会的養護】里親制度・特別養子縁組の頻出ポイント

里親制度は社会的養護のなかでも出題頻度が高く、しかも4種類の区別・登録の有効期間・特別養子縁組との関係という、覚えれば必ず取れる形で出ます。2024年4月に里親支援センターが児童福祉施設になったこともあり、ここ数年は「制度が動いた部分」が特に狙われやすくなっています。

この記事では里親4種類の要件を表で確定させ、そのうえで特別養子縁組と普通養子縁組の違い、フォスタリング機関と里親支援センターの関係まで一気に片づけます。

里親4種類:この表で確定させる

養育里親専門里親養子縁組里親親族里親
対象となるこども要保護児童(一般)虐待により心身に有害な影響を受けた児童/非行等の問題を有する児童/身体障害・知的障害・精神障害がある児童養子縁組を前提とする要保護児童両親等が死亡・行方不明・拘禁・入院等により養育できない児童
里親になる人の要件養育里親研修を修了していること、経済的に困窮していないこと、欠格事由に該当しないこと養育里親として3年以上の委託児童の養育経験、または児童福祉事業に3年以上従事、または同等以上と認められること。加えて専門里親研修を修了養子縁組里親研修を修了していること要保護児童の扶養義務者およびその配偶者である親族
登録(認定)の有効期間5年(更新研修が必要)2年(更新研修が必要)5年
委託期間特段の定めなし2年(必要に応じて更新)縁組成立まで事情が続く間
研修必要必要(養育里親研修+専門里親研修)必要不要
里親手当支給される支給される(養育里親より高い)支給されない支給されない

ここが出る

数字は「5年・2年・3年」の3つだけ。養育里親の登録は5年、専門里親の登録と委託期間は2年、専門里親になるための経験は3年。この3つが入れ替えられた選択肢が定番です。

里親手当が出ないのは養子縁組里親と親族里親。養子縁組里親は将来わが子として育てる前提なので、親族里親は扶養義務者なので、それぞれ手当がありません。ただし一般生活費など養育に必要な費用は支給されます(「一切支給されない」は誤り)。

引っかけポイント

親族里親だけ研修が要りません。「すべての里親は研修の修了が要件である」という選択肢は誤りです。

親族里親の対象は扶養義務者およびその配偶者である親族です。おじ・おばは民法上の扶養義務者ではないため、実務上は養育里親として認定され、里親手当が支給されます。「三親等以内の親族なら必ず親族里親になる」わけではない点に注意してください。

委託できる人数は同時に4人まで(実子等を含めて6人まで)。専門里親は2人までです。ファミリーホームの定員5〜6人と混ざりやすいので分けて覚えます。

里親の数(令和7年3月末現在)

こども家庭庁「社会的養育の推進に向けて(令和8年3月)」の数値です。細かい端数を覚える必要はなく、桁と大小関係だけ取れば足ります。

区分登録里親数委託里親数委託児童数
養育里親15,392世帯4,350世帯5,198人
専門里親713世帯166世帯214人
養子縁組里親7,677世帯377世帯394人
親族里親624世帯587世帯831人
合計(実世帯数)18,038世帯5,411世帯6,637人
出典:こども家庭庁「社会的養育の推進に向けて」(令和8年3月)/令和7年3月末現在

引っかけポイント

種類別の登録数を足しても合計と一致しません(15,392+713+7,677+624=24,406 ≠ 18,038)。1つの世帯が養育里親と養子縁組里親の両方に重複登録できるためです。「合計=各種類の単純合計」と考えて計算させる問題が作れる形なので、重複があることを知っておいてください。

親族里親だけは、登録数(624)に対して委託数(587)がほぼ同じという特徴があります。親族里親は「目の前に養育が必要な親族の子がいる」から登録するので、登録=ほぼ委託になるからです。逆に養子縁組里親は登録7,677に対して委託377と、待機している世帯が非常に多い。この非対称は理由とセットで理解しておくと忘れません。

里親支援センターとフォスタリング機関

里親の開拓から研修、マッチング、委託後の支援までを一貫して担う機関をフォスタリング機関(里親養育包括支援機関)と呼びます。この機能を法律上の施設として位置づけたのが里親支援センターです。

項目内容
根拠条文児童福祉法第44条の3
位置づけ児童福祉施設(第二種社会福祉事業)
施行2024年(令和6年)4月1日
業務里親支援事業のほか、里親・ファミリーホームの従事者・委託児童・里親希望者への相談その他の援助
里親支援事業の中身里親に関する普及啓発/里親への相談・情報提供・助言・研修/里親とこども・里親相互の交流の場の提供/里親の選定および調整/委託児童の養育に関する計画の作成
設置数55か所(令和7年4月1日現在)

ここが出る

里親の認定・登録・委託措置の決定そのものは、これまでどおり都道府県(児童相談所)の権限です。里親支援センターができても、措置権が移ったわけではありません。「里親支援センターが里親委託を決定する」という選択肢は誤りです。

里親支援センターが児童福祉施設に加わったことで、児童福祉法第7条に列挙される施設の顔ぶれも変わりました。施設全体の並びは施設の種類と根拠法で確認してください。

特別養子縁組と普通養子縁組:比較表で一発

民法の話ですが、社会的養護でも子ども家庭福祉でも出ます。とくに2020年4月施行の改正で養子となる者の年齢が原則15歳未満に引き上げられた点は要注意です。

項目普通養子縁組特別養子縁組
成立の仕方当事者の合意(届出)。未成年者を養子にするには原則として家庭裁判所の許可が必要養親となる者の請求により家庭裁判所の審判で成立
養親の要件20歳に達した者(民法第792条。成年年齢が18歳になった後も「20歳」のまま)配偶者のある者(夫婦共同縁組)。原則25歳以上(夫婦の一方が25歳以上なら他方は20歳以上でよい)
養子の年齢尊属または養親より年長でない者原則、審判の申立て時に15歳未満(15歳前から養育していた等の場合は18歳未満まで)
実父母との親族関係終了しない(実親・養親の二重関係)終了する
監護(試験養育)期間定めなし6か月以上の監護状況を考慮して成立
離縁当事者の協議で可能養子の利益のため特に必要があるときに限り、養子・実親・検察官の請求により家庭裁判所が決定
戸籍の記載実親の名前が記載され、続柄は「養子(養女)」実親の名前は記載されず、続柄は「長男(長女)」等

引っかけポイント

「原則6歳未満」は改正前の数字です。令和元年に成立した民法改正(令和2年4月1日施行)で原則15歳未満になりました。古いテキストや過去問の解説が6歳のままになっていることがあるので、必ず上書きしてください。

同じ改正で、手続が二段階(特別養子適格の確認の審判+特別養子縁組の成立の審判)に分けられ、児童相談所長が申立てや手続に関与できるようになりました。養親候補者の負担を軽くするための改正です。

実父母の同意は必要ですが、意思を表示できない場合や、虐待・悪意の遺棄などこどもの利益を著しく害する事由がある場合は不要です。「実父母の同意は例外なく必要」は誤りです。

「新しい社会的養育ビジョン」が掲げた年間1,000人以上の特別養子縁組成立という目標との関係も出題されます。理念側の整理は社会的養護の理念と歴史を確認してください。

りわさんメモ

(ここに、りわさん自身が受験したときの実感・失敗・工夫を1〜3文で書き足してください。例:専門里親の「3年」と登録の「2年」をずっと逆に覚えていた。『専門は2年で更新、なるには3年の経験』と声に出して10回言ったら定着した。)

まとめ:里親で落とさないための最終チェック

  1. 5年・2年・3年(養育里親の登録/専門里親の登録・委託/専門里親になるための経験)
  2. 研修不要は親族里親だけ
  3. 里親手当なしは養子縁組里親と親族里親(一般生活費は出る)
  4. 委託は同時に4人まで、実子含め6人まで。専門里親は2人まで
  5. 里親支援センターは第44条の3・2024年4月から児童福祉施設
  6. 特別養子縁組は原則15歳未満・監護6か月以上・実親との関係は終了

一次情報はこども家庭庁「特別養子縁組制度について」こども家庭庁「社会的養護」。統計値は毎年更新されるので、直前期には必ず最新の資料集で数字を確認してください。

よくある質問

養子縁組里親と特別養子縁組はどう違いますか?

養子縁組里親は児童福祉法上の里親の一種で、養子縁組を前提にこどもを受託する立場です。特別養子縁組は民法上の縁組そのもので、家庭裁判所の審判によって成立します。つまり「養子縁組里親として委託を受け、6か月以上の監護を経て家庭裁判所に申し立て、特別養子縁組が成立する」という流れになります。制度の階層が違う、と理解してください。

里親の登録有効期間はなぜ専門里親だけ2年なのですか?

専門里親は虐待を受けたこどもや非行、障害のあるこどもという、より高い専門性を必要とするケースを担当するためです。研修による知識の更新を短いサイクルで求める設計になっており、委託期間も原則2年(必要に応じて更新)とされています。

里親等委託率の「等」には何が含まれますか?

里親に加えてファミリーホーム(小規模住居型児童養育事業)が含まれます。分母は里親・ファミリーホーム委託児童数と乳児院・児童養護施設の入所児童数の合計です。令和6年度末(令和7年3月末)の里親等委託率は26.3%でした。

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