実技試験の当日は、待つ時間が長く、話す時間は3分です。この比率が緊張を大きくします。準備してきた3分より、その前後をどう過ごすかで結果が変わることがある。ここでは受付から終了後までの流れと、頭が真っ白になったときの復帰の仕方をまとめます。
はじめに、公表されている事実と、受験者の報告として広く語られていることを分けて書きます。混ぜると準備がぶれるので、どちらなのかを明示します。
試験日と、公表されている当日の条件
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 令和8年【前期】実技試験日 | 6月28日(日) | 公表 |
| 令和8年【後期】実技試験日 | 12月13日(日) | 公表 |
| 集合時間 | 受験票に記載される | 公表 |
| 受験できる人 | 筆記試験の全科目合格者(免除者を含む) | 公表 |
| 課題の指定 | 試験室入室後に、3課題のうち1つを指定 | 公表 |
| 時間の計測 | 係がタイマーで計測。3分間は退出できない | 公表 |
| 姿勢 | 立っても座ってもよい | 公表 |
| 会場の設定 | 子どもに見立てた椅子等が前方に用意される | 公表 |
| 持ち込み | 絵本・道具(台本・人形)等の一切の使用が禁止 | 公表 |
| 合格基準 | 選択した2分野とも満点の60%以上 | 公表 |
出典は全国保育士養成協議会「令和8年【前期】実技試験概要」および全国保育士養成協議会「令和8年【後期】実技試験概要」です。集合時間や試験室は受験票で個別に指定されるので、当日の細部は必ず受験票を優先してください。
受付から入室までの流れ
ここからは、公表されている手順ではなく、一般的な進み方として受験者から報告されている内容です。会場や年度によって差があるため、目安として読んでください。当日は係員の指示が最優先です。
- 指定された時間に会場へ。受験票と本人確認書類を持参する
- 受付を済ませ、待機室(ガイダンス室)へ。全体への説明がある
- 分野ごと、受験番号ごとに呼ばれ、順に移動する
- 試験室の前の廊下などで直前の待機。ここで数分待つことがある
- 呼ばれて入室。試験室内で課題が指定される
- 開始の合図で話し始める。3分間は退出できない
- 終了後は退室し、次の分野の待機室へ、または解散
待ち時間は長くなりがちです。受験番号によっては、集合から自分の順番まで1時間以上あくこともあります。文庫本やイヤホンなど、静かに待てるものを1つ持っていくと精神的に楽です。ただし待機室では私語や発声練習ができない場合があります。声出しは会場に入る前に済ませておいてください。
ここが出る
2分野を受ける人は、順番の組み合わせで疲れ方が変わります。造形は45分間の描画で手と集中力を使い、音楽は緊張のピークが早く来る。言語が後になる場合は、そこまでに喉と体力を残しておく意識が要ります。待ち時間に水分を取り、飴などで喉を乾かさないようにしておくと違います。
試験室に入ってから、話し始めるまで
室内の様子については、採点者が複数いるという点は受験者の報告が一致しています。人数は公表されていませんが、2名だったという報告が多く見られます。正面ではなく斜め前や横に座っていることもあります。
- 入室したら会釈し、指示された場所に立つか座る
- 受験番号や氏名の確認を求められることがある。落ち着いてはっきり答える
- 課題が指定される。ここで初めて、どの話をするかが決まる
- 「始めてください」の合図を待つ。合図の前に話し始めない
- 深く息を吐き、正面の椅子(子どもに見立てたもの)に目線を落としてから第一声
採点者のほうを見て話すべきか、椅子のほうを見て話すべきかで迷う人がいます。想定されているのは3歳児15人が自分の前にいる場面で、そのために椅子が用意されています。子どもに見立てた椅子と、その周りの空間に向かって話すのが設定に沿った形です。目線の割り方は表情・身振り・目線の作り方に書きました。
よくあるトラブルと、その場での立て直し方
| 起きること | その場でやること | 事前の備え |
|---|---|---|
| 頭が真っ白になる | 止まったまま一度息を吐き、直前の一文の要点を自分の言葉で言い直して先に進む | 台本を丸暗記せず、骨組みで話せる状態にしておく |
| せりふを飛ばした | 戻らずに進む。飛ばした情報が結末に必要なら、後で一文で補う | 飛ばしても成立する箇所を把握しておく |
| 別の課題の内容が混ざった | 気づいた時点で指定された話に戻す。訂正の言葉は言わない | 3課題の導入と結びを同じ文にして、混線の余地を減らす |
| 声が震える・かすれる | 一度短く息を吸い、次の一文をゆっくり低めに始める | 会場に着く前に発声しておく。水を飲む |
| 3分が来て止められた | 指示に従って話をやめる。謝り続けない | 2分45〜55秒で結びが終わる設計にしておく |
| 早く終わってしまった | 慌てて足さない。子どもたちを見て静かに終える | 台本の総量を測っておく |
引っかけポイント
止まったときに謝ってしまうのがいちばんもったいない失敗です。「すみません」「もう一回いいですか」と言った瞬間、そこは3歳児に向けた語りではなくなります。実際の保育の場面でも、保育士は言い間違えても謝らずに話を続けます。詰まったら、黙って一拍置いて、話の続きから再開する。これを練習のときから徹底してください。
同じ理由で、途中でやり直しを申し出るのも避けます。3分間は退出できず、時間は進み続けます。やり直すぶんだけ結びに届かなくなります。
真っ白になったときの復帰ルートを作っておく
「緊張しないようにする」は対策になりません。緊張しても戻れる道を先に作ります。具体的には、話の中に復帰ポイントを3つ決めておく方法です。
- 復帰ポイントを決める。導入の終わり、くり返しの入り口、山場の入り口の3か所
- それぞれの最初の一文だけを完全に暗記する。この3文はどんな状態でも出てくるようにする
- 詰まったら、直前の復帰ポイントではなく次の復帰ポイントへ飛ぶ。戻らない
- 飛んだぶん時間が余るので、そのあとは間を長めに取る
この方法の利点は、詰まったときに「思い出す」作業をしなくて済むことです。思い出そうとすると視線が上に外れ、沈黙が長くなり、さらに焦る。次の一文へ飛ぶと決めておけば、沈黙は2〜3秒で済みます。時間の調整手段は3分ぴったりに収める練習法にまとめました。
前日と当日朝の過ごし方
| タイミング | やること | やらないこと |
|---|---|---|
| 前日 | 通し練習は1〜2回まで。会場までの経路と集合時間を確認 | 夜遅くまで大声で練習する |
| 当日朝 | 起きてから声を出す。低い声から徐々に上げる | 何も声を出さずに家を出る |
| 移動中 | 頭の中で骨組みをたどる。復帰ポイントの3文だけ確認 | 台本を全部読み返して不安になる |
| 会場到着後 | 水分を取り、喉を乾かさない | 待機室で発声練習をする |
| 直前 | 吐く息を長くする呼吸を数回 | 他の受験者の様子を気にする |
喉は消耗品です。当日の朝に不安で何度も通すと、本番で声が枯れます。声を出すのは目覚めの1回で十分で、あとは頭の中で通してください。
終わったあと
実技が終わったら、その日のうちに感触を思い出して書き留めておくといいです。もし次があるとき、記憶は驚くほど薄れています。結果は後日、郵送で通知されます。実技は2分野とも6割以上で合格なので、片方の手応えが悪くても、もう片方で挽回している可能性はあります。自己採点ができない試験なので、通知が来るまで判断はできません。
合格していた場合の登録手続きは合格後の手続きに、次回に向けて考え直す場合は実技試験ハブと独学ロードマップに進んでください。試験制度や日程の最新情報はこども家庭庁 保育士関連でも確認できます。
りわさんメモ
(ここに、りわさんが当日感じたことを1〜3文で。例:待ち時間が想像より長かった、入室したときの部屋の広さに驚いた、終わった直後は手応えがまったく分からなかった、など。)
よくある質問
試験官は何人いますか?
人数は公表されていません。受験者の報告では2名だったという声が多く見られますが、会場や年度で異なる可能性があります。人数を前提に練習を組むより、誰が何人いても、子どもに見立てた椅子に向かって話し切れる状態を作るほうが確実です。
3分が来て途中で止められたら不合格ですか?
止められた場合の扱いは公表されていません。ただ「3分にまとめてください」という指示がある以上、結びまで届かない構成は指示どおりでないと受け取られる余地があります。止められることを恐れて早口になるほうが、幼児に対する話し方という評価の芯を外すので損です。2分45〜55秒で終わる設計にして、原因を先に消してください。
当日、待機室で発声練習はできますか?
会場の運用によります。待機室では静かに待つよう指示されることが多く、発声ができない前提で準備しておくのが安全です。会場に入る前、移動中や屋外で軽く声を出しておいてください。当日は係員の指示が最優先です。
