介護保険は40歳未満だと使えない?若くして脳梗塞になったときの制度を図解【使える制度チェッカー付き】

介護保険は40歳未満だと使えない?若くして脳梗塞になったときの制度を図解【使える制度チェッカー付き】 社会・ニュース
2026年9月28日時点の情報です

34歳で脳梗塞を発症した男性が、リハビリを続けるなかで「介護保険が使えない」という制度の壁に直面している――東海テレビの報道(9月27日)が大きな反響を呼んでいます。

なぜ40歳未満だと介護保険が使えないのか、代わりにどんな制度が使えるのかを年齢別に図解し、年齢や加入している保険から確認したい制度がわかるチェッカーを付けました。

※この記事は公的制度の一般的な仕組みの解説です。実際に使えるかどうかは、症状や自治体・加入先の判断で変わります。必ず病院の医療ソーシャルワーカーや市区町村の窓口で確認してください。

3行でわかる要点
  • 介護保険に加入するのは40歳から。40〜64歳は脳血管疾患など16の「特定疾病」が原因のときだけ使える
  • 40歳未満は介護保険の対象外。代わりに障害福祉サービス(障害者総合支援法)や身体障害者手帳の制度を使う
  • 医療保険での脳血管疾患のリハビリは原則180日が目安。お金の面は高額療養費・傷病手当金・障害年金を確認

なぜ40歳未満は介護保険が使えないの?

介護保険は、40歳以上の人が保険料を払い、介護が必要になったときにサービスを受けるしくみです。40歳になるまでは加入者(被保険者)ではないため、介護が必要な状態になっても介護保険のサービスは使えません。

年齢介護保険での扱い使える条件
0〜39歳加入者ではない使えない(障害福祉サービスなどで対応)
40〜64歳第2号被保険者(医療保険の加入者)16の特定疾病が原因で要介護・要支援と認定された場合
65歳以上第1号被保険者原因を問わず、要介護・要支援と認定された場合

東海テレビの報道によると、脳梗塞を発症する年齢の中央値は78歳で、40歳未満での発症は2%程度とされています。制度が「高齢で発症する人」を中心に組み立てられているため、若い世代の患者は受け皿を探しにくいのが実情です。

脳梗塞などで介護が必要になったとき(年齢別) 0〜39歳 介護保険の加入前 40〜64歳 第2号被保険者 65歳以上 第1号被保険者 介護保険 × 障害福祉サービス (障害者総合支援法) 身体障害者手帳 介護保険 △ 16の特定疾病が原因なら○ (脳血管疾患は対象) それ以外は障害福祉で 介護保険 ○ 原因を問わず 要介護認定で利用 どの年齢でも:医療保険のリハビリ(脳血管疾患は原則180日が目安)・高額療養費
厚生労働省の介護保険制度の説明などをもとに作図。制度の併用や優先関係は個別に確認が必要です。

40〜64歳が対象になる「16の特定疾病」

40〜64歳の人は、次の16の病気(特定疾病)が原因で介護が必要になった場合に限って介護保険を使えます。脳梗塞・脳出血などの「脳血管疾患」は対象です。

No.特定疾病
1がん(医師が回復の見込みがないと判断したもの)
2関節リウマチ
3筋萎縮性側索硬化症(ALS)
4後縦靱帯骨化症
5骨折を伴う骨粗鬆症
6初老期における認知症
7進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
8脊髄小脳変性症
9脊柱管狭窄症
10早老症
11多系統萎縮症
12糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
13脳血管疾患
14閉塞性動脈硬化症
15慢性閉塞性肺疾患
16両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

40歳未満で使える主な制度

① 障害福祉サービス(障害者総合支援法)

介護保険の代わりの中心になるのが、障害者総合支援法にもとづく障害福祉サービスです。市区町村に申請し、障害支援区分の認定などを経て利用します。

  • 居宅介護(ホームヘルプ):自宅での入浴・排せつ・食事などの介助
  • 自立訓練(機能訓練・生活訓練):一定期間、身体機能や生活能力を高める訓練
  • 就労移行支援など:仕事に戻る・就職するための支援
  • 補装具費の支給:車いすや装具などの費用の助成

ただし、介護保険の「通所リハビリ(デイケア)」のように、リハビリを長く続けられる場は地域によって限られます。報道でも、医療保険のリハビリ期間を過ぎたあとの受け皿の少なさが課題として取り上げられています。

② 身体障害者手帳

後遺症で手足のまひなどが残った場合、条件を満たせば身体障害者手帳の対象になります。手帳があると、障害福祉サービスや税の控除、交通機関の割引などが受けやすくなります。申請の時期(発症からどのくらいで診断書を書いてもらえるか)は症状によるため、主治医に相談してください。

医療保険でのリハビリはいつまで?

入院中・通院中のリハビリは医療保険で受けられますが、脳梗塞などの脳血管疾患のリハビリには「標準的算定日数」があり、原則180日が目安です。回復期リハビリテーション病棟への入院も、病状によって上限日数が決まっています。

180日を過ぎても、改善が見込まれると医師が判断した場合などは続けられることもありますが、回数などに制限がかかります。退院やリハビリの終了が近づいたら、早めに医療ソーシャルワーカーに「その後の受け皿」を相談するのが大切です。

お金の面で確認したい制度

制度対象ポイント
高額療養費制度医療保険の加入者全員1か月の医療費の自己負担が上限を超えた分が戻る(限度額適用認定証を使えば窓口負担を抑えられる)
傷病手当金会社員・公務員など(健康保険の加入者)病気で働けないとき、支給開始から通算1年6か月まで、給与のおおむね3分の2が支給される。国民健康保険には原則なし
障害年金国民年金・厚生年金の加入者(初診日の加入状況による)原則は初診日から1年6か月後に請求できるが、脳血管障害は初診日から6か月以上たって症状が固定すれば、その時点で請求できる場合がある
医療費控除医療費を払った人年間の医療費が一定額を超えると確定申告で所得税が軽くなる

※金額・要件は加入している健康保険や年金、所得によって異なります。傷病手当金は加入先の健康保険、障害年金は年金事務所・街角の年金相談センターで確認してください。

使える制度チェッカー

🧭 年齢・原因・保険から「確認したい制度」を表示

まず相談するならどこ?

  1. 入院中の病院の医療ソーシャルワーカー(MSW):退院後の生活、制度の申請、リハビリ先探しをまとめて相談できる
  2. 市区町村の障害福祉の窓口:障害福祉サービスや身体障害者手帳の申請
  3. 地域包括支援センター:40歳以上で介護保険が使える場合の相談先
  4. 加入先の健康保険・年金事務所:傷病手当金や障害年金

よくある質問

介護保険は何歳から使える?

介護保険に加入するのは40歳からです。65歳以上は原因を問わず、40〜64歳は16の特定疾病が原因の場合に、要介護・要支援の認定を受けて使えます。

30代で脳梗塞になったら介護保険は使えない?

40歳未満は介護保険の加入者ではないため使えません。代わりに障害者総合支援法の障害福祉サービスや身体障害者手帳の制度を使うことになります。

40歳の誕生日を迎えたら介護保険に切り替わる?

40歳以上になれば第2号被保険者となり、脳血管疾患など特定疾病が原因であれば要介護認定を申請できます。障害福祉サービスとの関係(どちらを優先するか)は市区町村で確認してください。

医療保険のリハビリは180日で必ず終わる?

脳血管疾患のリハビリは標準的算定日数が180日ですが、改善が見込まれると医師が判断した場合などは続けられることがあります。詳しくは主治医に確認してください。

仕事を休んでいる間の収入は?

会社の健康保険に加入していれば、傷病手当金を支給開始から通算1年6か月まで受け取れる場合があります。条件は加入先の健康保険に確認してください。

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