合格通知書が届いても、その時点ではまだ保育士ではありません。児童福祉法第18条の18第1項は「保育士となる資格を有する者が保育士となるには、保育士登録簿に、氏名、生年月日その他内閣府令で定める事項の登録を受けなければならない」と定めています。登録して初めて保育士です。
しかも登録には申請からおおよそ2か月かかります。4月入職を考えているなら逆算が必要です。手続きの詳細と、そのあとの働き方の選択肢を整理します。手数料や書類は変わることがあるため、申請前に必ず保育士登録事務処理センターで確認してください。試験の日程から逆算したい人は保育士試験の日程もあわせて確認してください。
合格から保育士登録までの流れ
| 時期 | やること |
|---|---|
| 結果通知が届く(前期は7月下旬〜8月上旬) | 合格通知書または保育士資格証明書を確認。これが登録申請の添付書類になる |
| 登録の手引きを取り寄せる | 登録事務処理センターに請求。手引きには申請書と専用の払込用紙が同封されている |
| 手数料を払い込む | 郵便局の窓口で振替払込。ATMは不可 |
| 書類をそろえて簡易書留で郵送 | 申請書、振替払込受付証明書、資格証明書の原本、必要な場合は戸籍抄本 |
| 申請から約2か月 | 保育士登録証(保育士証)が簡易書留で届く |
4月入職を狙うなら、逆算して年内に動く
交付までおおよそ2か月。書類に不備があればさらに延びます。4月1日に保育士として働き始めたいなら、遅くとも1月中には申請を出しておくのが安全です。
後期試験(実技12月)で合格した場合、結果通知が届くのは年明けです。この場合は4月入職に登録が間に合わない可能性があります。就職先には「登録申請中」であることを早めに伝えてください。前期・後期の日程差は日程の記事で確認できます。
保育士登録の手続き(新規登録)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登録先 | 都道府県知事(申請時の住所地、または試験に合格した都道府県) |
| 申請の窓口 | 登録事務処理センター(〒102-0083 東京都千代田区麹町1-6-2) |
| 手数料 | 登録1人当たり4,200円 |
| 支払方法 | 手引きに同封の専用払込用紙で、郵便局の窓口から振替払込(ATM不可) |
| 郵送方法 | 簡易書留郵便(窓口持参は不可) |
| 交付までの期間 | 書類の不備がない場合でおおよそ2か月程度 |
| 3か月以上経過しても届かない場合 | 登録事務処理センターに問い合わせる |
必要書類
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 保育士登録申請書 | 登録の手引きに同封されている |
| 振替払込受付証明書 | 払込用紙の右端部分を、申請書裏面に糊付けする |
| 資格を証明する書類の原本 | 保育士(保母)資格証明書/指定保育士養成施設卒業証明書/保育士養成課程修了証明書/保育士試験合格通知書/平成17年度までに交付された一部科目合格証明書・合格通知書(連続した3年間で全科目合格が確認できるもの) のいずれか |
| 現在の戸籍抄本 | 資格証明書の氏名から変更がある場合のみ |
「原本」を送るので、返ってこない前提で考える
資格証明書は原本の提出が必要で、コピーでは受理されません。手元に控えを残したい場合は、送る前にコピーやスキャンを取っておいてください。
また、手数料の払込は郵便局の窓口のみでATMは使えません。専用の払込用紙を紛失した場合は登録事務処理センターへ連絡が必要です。この2点で足止めされる人が多いです。
最新の手続きと様式は保育士登録事務処理センター「新規登録の手続き」で確認できます。
登録前に保育士として働けるのか
法律上、保育士になるのは登録を受けたときからです。児童福祉法は保育士でない者が保育士またはこれに紛らわしい名称を使用することを禁じています(名称独占)。したがって登録前に「保育士」として配置されることはできません。
| 状態 | できること | 注意点 |
|---|---|---|
| 合格通知が届いた/登録申請前 | 保育補助などの職種で働くことはできる | 保育士としての職員配置基準には算入されない |
| 登録申請中(保育士証待ち) | 同上。園によっては内定・入職を認めている | いつから保育士として扱われるかは勤務先の判断と自治体の運用による |
| 保育士証が交付された | 保育士として働ける | 職場に保育士証の提示・写しの提出を求められることが多い |
「登録申請中でも採用する」という園は珍しくありませんが、扱いは職場によって違います。内定の段階で、いつから保育士としての勤務・待遇になるのかを確認しておくとトラブルを避けられます。
氏名が変わったとき・保育士証をなくしたとき
保育士証には氏名と本籍地の都道府県が記載されます。結婚などで氏名が変わったら書換え交付、紛失・破損したら再交付の手続きが必要です。
| 手続き | 対象 | 手数料 | 主な必要書類 | 期間 |
|---|---|---|---|---|
| 書換え交付 | 氏名や本籍地の都道府県に変更があったとき | 1,600円 | 申請書、振替払込受付証明書、現在の保育士登録証、発行から6か月以内の戸籍抄本 | おおよそ2か月 |
| 再交付 | 紛失・破損したとき | 1,100円 | 申請書、振替払込受付証明書、(紛失以外は)手元の保育士登録証 | おおよそ2か月 |
いずれも簡易書留で登録事務処理センターに郵送します。窓口持参はできません。氏名変更の手続きをしていなくても資格が失われるわけではありませんが、就職・転職時に旧姓のままだと本人確認で手間がかかります。
保育士資格に更新制度はない
保育士資格は一度登録すれば更新は不要です。何年ブランクがあっても資格は有効なままです。幼稚園教諭免許のような更新講習もありません。
ただし保育士には信用失墜行為の禁止(児童福祉法第18条の21)と秘密保持義務(同第18条の22)が課され、違反すると登録の取消しや名称使用の停止の対象になります。条文はe-Gov法令検索で確認できます。
働き方の選択肢
保育士証があれば働ける場所は保育所だけではありません。施設の種類によって、対象年齢・人数・仕事の中身がかなり違います。どれが良い悪いではなく、自分の生活と合うかで選ぶ領域です。
| 職場 | 特徴 | 向いている人の例 |
|---|---|---|
| 認可保育所 | 定員が大きく、行事や書類も多い。0〜5歳の全年齢に関われる | 幅広い年齢を経験したい/同僚の人数が多い環境が合う |
| 小規模保育事業(A型・B型・C型) | 定員6〜19人、0〜2歳が中心。少人数で一人ひとりに時間をかけられる | 乳児保育に関心がある/大規模が苦手 |
| 企業主導型保育事業 | 企業が設置。従業員枠と地域枠がある。勤務シフトが企業の就業時間に合わせられることも | 早朝・夜間など変則的な時間帯に対応できる |
| 認定こども園(幼保連携型など) | 教育と保育の両方。幼稚園教諭免許との併有が求められる類型もある | 教育的な活動にも関わりたい |
| 児童養護施設・乳児院などの児童福祉施設 | 生活の場を支える。宿直がある職場も多い | 社会的養護の領域で働きたい |
| 障害児通所支援事業(児童発達支援・放課後等デイサービス) | 発達に配慮が必要なこどもへの個別支援が中心 | 個別支援・療育に関心がある |
| 病児保育・院内保育 | 少人数で、体調の変化に応じた対応が必要 | 医療的な環境に抵抗がない |
| 公立(自治体の保育士) | 自治体の採用試験を経る。年齢上限がある場合が多い | 安定した雇用条件を重視する |
雇用形態で見た違い
| 雇用形態 | 特徴 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 正社員(常勤) | クラス担任、行事の主担当を任される。賞与・昇給がある | 残業と持ち帰り仕事の実態、有給の取得状況 |
| パート・非常勤 | 時間を区切って働ける。担任を持たないことが多い | 処遇改善加算の対象になるか、社会保険の加入条件 |
| 派遣 | 勤務地・条件を選びやすい | 契約期間と更新の扱い、就業先での役割の範囲 |
求人情報の「保育士資格必須」と「登録済み」は別
求人票に「保育士資格をお持ちの方」と書かれていても、それが登録済み(保育士証がある)を指すのか、合格済みで登録申請中も含むのかは求人によって違います。
応募の段階で確認しておかないと、内定後に「入職日までに保育士証が間に合わない」となります。登録に2か月かかることを前提に、応募時点で伝えておいてください。
なお当サイトでは、特定の転職サービスや紹介会社を推奨することはしません。就職先の情報は、園の見学、自治体の保育担当課、ハローワーク、園が直接出している求人など、複数の経路で確認することを勧めます。施設の種類や根拠法をもう一度確認したい場合は社会的養護や子ども家庭福祉の解説が役に立ちます。
りわさんメモ
(ここに、りわさん自身が受験したときの実感・失敗・工夫を1〜3文で書き足してください。例:登録の手引きを取り寄せるところで1週間ロスした。合格通知が来たその日に請求すればよかった。)
登録手続きのチェックリスト
- 結果通知(合格通知書)が手元にある
- 登録事務処理センターから登録の手引きを取り寄せた
- 手数料4,200円を郵便局の窓口で払い込んだ(ATMではない)
- 振替払込受付証明書を申請書裏面に糊付けした
- 資格を証明する書類の原本を用意した(コピーは事前に取った)
- 氏名が変わっている場合は現在の戸籍抄本を用意した
- 簡易書留で郵送した(普通郵便ではない)
- 交付までの2か月を見込んで、就職先に状況を伝えた
よくある質問
保育士登録に期限はありますか。合格から何年も経っていても登録できますか?
試験の合格そのものに有効期限はなく、何年経ってからでも登録の申請ができます(科目合格の3年ルールは、全科目そろう前の話です)。ただし提出する資格証明書の様式や手続きは変わることがあるため、申請前に登録事務処理センターの最新の案内を確認してください。氏名が変わっている場合は戸籍抄本が必要です。
保育士資格に更新は必要ですか?
必要ありません。保育士登録に更新制度はなく、一度登録すれば資格は有効なままです。ブランクがあっても登録し直す必要はありません。ただし氏名や本籍地の都道府県が変わった場合は書換え交付の手続きが必要です。
登録はどの都道府県にすればいいですか?
申請時の住所地の都道府県知事、または試験に合格した都道府県知事のいずれかに登録します。どちらに登録しても保育士資格は全国で有効です。引っ越しても登録し直す必要はありません(本籍地の都道府県が変わった場合は書換え交付が必要です)。申請書の送付先はいずれの場合も登録事務処理センターです。
