児童福祉施設の問われ方は3通りあります。①児童福祉法第7条に列挙されている施設かどうか、②何をするところか、③第一種社会福祉事業か第二種か。①と③は完全な暗記勝負で、推測が効きません。
ここでは第7条の13施設を並び順ごと語呂で入れて、そのうえで第一種・第二種の分け方を、例外まで含めて整理します。
児童福祉法第7条の13施設を、順番ごと覚える
この法律で、児童福祉施設とは、助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、幼保連携型認定こども園、児童厚生施設、児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センター、児童心理治療施設、児童自立支援施設、児童家庭支援センター及び里親支援センターとする。
児童福祉法 第7条第1項
13施設の語呂(条文の順番)
助乳母(じょ・にゅう・ぼ)/保幼厚養(ほ・よう・こう・よう)/障発心自(しょう・はつ・しん・じ)/家里(か・さと)
頭の3文字「助乳母」は「にょうぼう」の語感で入れると出だしが引き出せます。各文字が指す施設は次のとおりです。
| 語呂の字 | 施設名 | 主な対象・役割 | 利用形態 |
|---|---|---|---|
| 助 | 助産施設 | 経済的理由で入院助産を受けられない妊産婦 | 入所 |
| 乳 | 乳児院 | 乳児(必要な場合は幼児を含む) | 入所 |
| 母 | 母子生活支援施設 | 配偶者のない女子等とその児童 | 入所 |
| 保 | 保育所 | 保育を必要とする乳児・幼児 | 通所 |
| 幼 | 幼保連携型認定こども園 | 満3歳以上の幼児+保育を必要とする乳幼児 | 通所 |
| 厚 | 児童厚生施設 | 児童全般(児童館・児童遊園) | 利用 |
| 養 | 児童養護施設 | 保護者のない児童、虐待されている児童等 | 入所 |
| 障 | 障害児入所施設 | 障害のある児童 | 入所 |
| 発 | 児童発達支援センター | 障害のある児童と家族・地域 | 通所 |
| 心 | 児童心理治療施設 | 社会生活への適応が困難な児童 | 入所・通所 |
| 自 | 児童自立支援施設 | 不良行為をなし、又はなすおそれのある児童等 | 入所・通所 |
| 家 | 児童家庭支援センター | 地域の児童・家庭からの相談 | 相談 |
| 里 | 里親支援センター | 里親・里親希望者・委託児童等 | 支援 |
引っかけポイント
児童相談所・福祉事務所・保健所は児童福祉施設ではありません。行政機関であって第7条の列挙に入っていません。同じく自立援助ホームも児童福祉施設ではありません(児童自立生活援助事業という事業です)。ファミリーホームも施設ではなく小規模住居型児童養育事業です。「施設か、事業か、行政機関か」で切り分けてください。
近年の改正で増えた2つ
里親支援センターは令和4年改正児童福祉法(令和6年4月1日施行)で児童福祉施設に加わりました。同じ改正で児童発達支援センターの福祉型・医療型の区分も一元化されています。
第一種か第二種か:原則は「入所は一種、通所は二種」
分類の根拠は社会福祉法第2条。利用者への影響が大きく保護の必要性が高い事業=第一種(主に入所施設)、影響が比較的小さい事業=第二種(主に在宅・通所)。原則はこの一文です。
児童福祉法系の第一種は6つだけ
第一種6施設の語呂
乳母(にゅう・ぼ)が養(よう)う、障(しょう)・心(しん)・自(じ)
乳児院/母子生活支援施設/児童養護施設/障害児入所施設/児童心理治療施設/児童自立支援施設
この6つは社会福祉法第2条第2項第2号に名指しで書かれています。逆に言えば、ここに書かれていない児童福祉施設はすべて第二種。覚えるのは6つだけで足ります。
残りは第二種
第二種側の語呂
助保幼(じょ・ほ・よう)、厚発(こう・はつ)、家里(か・さと)
助産施設/保育所/幼保連携型認定こども園/児童厚生施設/児童発達支援センター/児童家庭支援センター/里親支援センター
| 施設 | 利用形態 | 種別 | 確認ポイント |
|---|---|---|---|
| 乳児院 | 入所 | 第一種 | 原則どおり |
| 母子生活支援施設 | 入所 | 第一種 | 原則どおり |
| 児童養護施設 | 入所 | 第一種 | 原則どおり |
| 障害児入所施設 | 入所 | 第一種 | 原則どおり |
| 児童心理治療施設 | 入所・通所 | 第一種 | 入所機能があるため一種 |
| 児童自立支援施設 | 入所・通所 | 第一種 | 入所機能があるため一種 |
| 助産施設 | 入所 | 第二種 | 原則の例外。入所なのに二種 |
| 保育所 | 通所 | 第二種 | 原則どおり |
| 幼保連携型認定こども園 | 通所 | 第二種 | 根拠法は認定こども園法。社会福祉事業としては二種 |
| 児童厚生施設 | 利用 | 第二種 | 児童館・児童遊園 |
| 児童発達支援センター | 通所 | 第二種 | 社会福祉法上は「障害児通所支援事業」として二種 |
| 児童家庭支援センター | 相談 | 第二種 | 原則どおり |
| 里親支援センター | 支援 | 第二種 | 令和6年4月から児童福祉施設 |
原則を破る2つ:助産施設と授産施設
「入所は一種、通所は二種」の原則で説明できない施設が2つあります。この2つは名前も似ていて、そのまま出題ポイントになります。
| 施設 | 利用形態 | 種別 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 助産施設(じょさん) | 入所 | 第二種 | 社会福祉法第2条第3項第2号に助産施設として明記 |
| 授産施設(じゅさん) | 就労・技能習得の場(通所利用が中心) | 第一種 | 社会福祉法第2条第2項第7号「授産施設を経営する事業」 |
2つまとめて覚える語呂
助産(じょさん)は二(に)、授産(じゅさん)は一(いち)
「じょさんに、じゅさんいち」と唱えます。字面が似ているぶん、音でセットにしてしまうのが早い。
授産施設が第一種になる理由を、救護施設・更生施設と並べて整理する
生活保護法第38条が定める保護施設は、救護施設・更生施設・医療保護施設・授産施設・宿所提供施設の5種類です。このうち救護施設と更生施設は「入所させて生活扶助を行う施設」にあたるため、社会福祉法第2条第2項第1号でまとめて第一種とされています。ここまでは原則どおりです。
一方、授産施設は入所させて生活扶助を行う施設ではありません。就業能力の限られた人に就労や技能習得の機会を提供する施設で、利用は通所が中心です。つまり第1号(入所施設)の枠には入りません。それでも第一種になるのは、社会福祉法が第2条第2項第7号で「授産施設を経営する事業」を独立の号として名指しで第一種に指定しているからです。
| 施設 | 根拠となる号 | 第一種になる理由 |
|---|---|---|
| 救護施設・更生施設 | 社会福祉法第2条第2項第1号 | 入所させて生活扶助を行う施設だから(原則どおり) |
| 授産施設 | 社会福祉法第2条第2項第7号 | 入所だからではなく、条文が別の号で名指ししているから |
引っかけポイント
「授産施設は通所だから第二種である」という選択肢は誤りです。逆に「授産施設は入所施設なので第一種である」という選択肢も、結論は合っていても理由が違います。授産施設の第一種は条文が別枠で指定した結果であって、入所か通所かの原則から導いたものではない、と理解しておくと、どちらの形で聞かれても対応できます。
りわさんメモ
(ここに、りわさん自身が受験したときの実感・失敗・工夫を1〜3文で書き足してください。例:助産施設を「入所だから第一種」と決めつけて1問落とした。助産と授産を音でセットにしてから間違えなくなった。)
まとめ
- 児童福祉施設は13種類。語呂は「助乳母/保幼厚養/障発心自/家里」
- 第一種は6つだけ。「乳母が養う、障・心・自」。残りはすべて第二種
- 例外は2つ。助産施設は入所でも第二種、授産施設は通所中心でも第一種
- 児童相談所・自立援助ホーム・ファミリーホームは児童福祉施設ではない
条文は改正で動きます。施設の種類と分類は、必ず最新の条文で確認してください。
よくある質問
児童福祉施設は12種類と書いてある教材があります。どちらが正しいですか?
現在は13種類です。令和4年改正児童福祉法(令和6年4月1日施行)で里親支援センターが児童福祉施設に加わったため、それ以前に作られた教材は12種類のままになっています。同じ改正で児童発達支援センターの福祉型・医療型の区分も一元化されました。改正前の記述が残っている教材は、この2点だけ差し替えて使ってください。
第一種と第二種で、実務上は何が違うのですか?
経営主体の規制が違います。第一種は原則として国・地方公共団体・社会福祉法人が経営することとされ、それ以外が経営する場合は都道府県知事等の許可が必要です。第二種は届出で足ります。この違いも出題されます。
幼保連携型認定こども園は児童福祉施設ですか、それとも学校ですか?
どちらでもあります。就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(認定こども園法)に基づく施設で、学校であり児童福祉施設でもあると位置づけられています。児童福祉法第7条第1項にも列挙されており、社会福祉事業としては第二種です。「学校だから児童福祉施設ではない」という選択肢は誤りです。
