保育士試験の受験資格でつまずく人は、たいてい「高卒だから無理だと思っていた」か「専門卒だけど2年制じゃなかった」のどちらかです。実際には最終学歴と卒業年、それでも足りなければ実務経験という3つの入口があり、そのどれかに当てはまれば受験できます。
この記事は判定の手順を最短にしたものです。ただし個別の判定は最終的に全国保育士養成協議会が行います。当てはまりそうだと思ったら、必ず全国保育士養成協議会「受験資格詳細」で自分のケースを確認してください。受験資格が取れたら、次は日程の確認に進みます。
30秒判定:3つの質問に答えるだけ
上から順に読んで、最初に「はい」になったところで止まってください。
| 質問 | はいの場合 | いいえの場合 |
|---|---|---|
| Q1. 大学・短大・高等専門学校・専門学校(修業年限2年以上)を卒業した、または在学中ですか? | → 受験できます(在学中は条件あり/下の「在学中」の章へ) | Q2へ |
| Q2. 高校を平成3年(1991年)3月31日までに卒業しましたか? または高校の保育科を平成8年(1996年)3月31日までに卒業しましたか? | → 受験できます(経過措置) | Q3へ |
| Q3. 児童福祉施設などで働いた経験がありますか? | → 高卒なら2年以上かつ2,880時間以上、中卒なら5年以上かつ7,200時間以上で受験できます | → 実務経験を積むか、指定保育士養成施設に入学するルートを検討 |
学部・学科は問われない
大学・短大の卒業者は学部も学科も関係ありません。工学部でも法学部でも受験できます。保育や福祉を学んでいる必要はありません。
ここを勘違いして受験をあきらめている人がかなりいます。「保育と無関係な学部だから」は受験資格に一切影響しません。ただし在学中に取った単位によっては科目免除が使える場合があります。
学歴別の受験資格一覧
協議会が示している区分を、学歴ごとに整理すると次のようになります。
| 最終学歴 | 受験資格 | 追加条件 |
|---|---|---|
| 大学 卒業 | あり | 学部・学科不問 |
| 大学 中退・在学中 | あり | 2年以上在学して62単位以上を修得していること |
| 大学 1年以上在学 | 条件付きあり | 受験する年度中に62単位を修得見込みであること |
| 高等専門学校 卒業 | あり | — |
| 短期大学 卒業 | あり | 学科不問 |
| 短期大学 在学中 | 条件付きあり | 最終学年に在学し、その年度中に卒業見込みであること |
| 専修学校(専門学校)専門課程 卒業 | あり | 学校教育法に基づく専修学校で、修業年限が2年以上の専門課程であること |
| 専修学校 専門課程 在学中 | 条件付きあり | 最終学年に在学し、卒業見込みであること |
| 各種学校 卒業 | あり | 修業年限2年以上 |
| 高等課程(修業年限3年以上)卒業 | あり | 平成3年3月31日以前の卒業であること |
| 外国の学校を卒業 | あり | 学校教育における14年以上の課程を修了していること |
| 高校 卒業(平成3年3月31日まで) | あり | 経過措置 |
| 高校 保育科 卒業(平成8年3月31日まで) | あり | 経過措置 |
| 上記以外の高校 卒業 | 実務経験が必要 | 児童福祉施設で2年以上かつ2,880時間以上 |
| 中学 卒業 | 実務経験が必要 | 児童福祉施設で5年以上かつ7,200時間以上 |
「専門学校卒」で落とし穴になる3点
専門学校卒で受験資格が認められるには、次の3つを同時に満たす必要があります。
- 学校教育法に基づく専修学校であること(無認可のスクール・カルチャースクールは対象外)
- 専門課程であること(高等課程・一般課程ではない)
- 修業年限が2年以上であること(1年制の課程は対象外)
卒業証書には書かれていないことが多いので、母校の事務局に「学校教育法に基づく専修学校専門課程か」「修業年限は何年か」を確認するのが確実です。
実務経験で受験する場合の数え方
学歴で資格が取れない場合に使うのが実務経験ルートです。年数と時間数の両方を満たす必要があります。片方だけでは足りません。
| 最終学歴 | 必要な勤務期間 | 必要な勤務時間 | 1年あたりの目安 |
|---|---|---|---|
| 高校 卒業 | 2年以上 | 2,880時間以上 | 1,440時間/年(週30時間×48週程度) |
| 中学 卒業 | 5年以上 | 7,200時間以上 | 1,440時間/年 |
「2年働いたけれど週3日のパートだった」というケースでは、年数は満たしても時間数が足りないことがあります。給与明細や勤務記録から、実際の勤務時間を先に計算しておいてください。
どこで働いた経験が使えるか
対象になるのは児童福祉法上の児童福祉施設です。児童福祉法第7条第1項では、児童福祉施設は次の13種類と定められています。
| 児童福祉施設(児童福祉法第7条第1項) |
|---|
| 助産施設 |
| 乳児院 |
| 母子生活支援施設 |
| 保育所 |
| 幼保連携型認定こども園 |
| 児童厚生施設 |
| 児童養護施設 |
| 障害児入所施設 |
| 児童発達支援センター |
| 児童心理治療施設 |
| 児童自立支援施設 |
| 児童家庭支援センター |
| 里親支援センター |
里親支援センターは令和6年4月から児童福祉施設に加わりました。条文はe-Gov法令検索で確認できます。
都道府県知事の認定が必要になる施設
上の13種類以外でも、勤務先によっては都道府県知事の認定を受けることで受験資格が認められます。協議会は認定対象として次のような施設を挙げています。
| 区分 | 施設・事業の例 |
|---|---|
| 教育・保育 | 認定こども園、幼稚園、家庭的保育事業、小規模保育事業、居宅訪問型保育事業、事業所内保育事業、特例保育 |
| 放課後・一時預かり | 放課後児童健全育成事業、一時預かり事業 |
| 社会的養護 | 小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)、一時保護施設 |
| 障害福祉 | 障害児通所支援事業、障害者支援施設、障害福祉サービス事業所 |
| その他 | 乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)、認可外保育施設 など |
認定は「申請前」に取る
知事認定が必要な施設で働いた経験を使う場合、受験申請の前に認定手続きを済ませておく必要があります。申請期間はおおむね3週間しかないので、その中で認定まで取るのは現実的ではありません。
認可外保育施設の場合は、都道府県が発行する証明書が別途必要になることもあります。受験を考えた時点で、勤務先の所在地の都道府県担当課に問い合わせてください。
在学中に受験する場合の注意
在学中の受験は「卒業見込み」または「単位修得見込み」を前提とした条件付きの受験です。条件を満たせなかった場合の扱いが決まっています。
| 区分 | 受験できる条件 | 満たせなかったとき |
|---|---|---|
| 大学 1年以上在学 | 受験する年度中に62単位を修得見込み | その年度の合格は無効になる(翌年度に持ち越せない) |
| 短大 最終学年 | 年度中に卒業見込み | 同上 |
| 専門学校(専門課程)最終学年 | 年度中に卒業見込み | 同上 |
つまり「卒業できなければ、その年に取った科目合格もなくなる」ということです。科目合格の有効期間そのものについては科目合格は3年有効で解説しています。卒業が微妙な人は翌年度に受けたほうが安全な場合があるので、具体的な取扱いを受験申請の手引きで必ず確認してください。
りわさんメモ
(ここに、りわさん自身が受験したときの実感・失敗・工夫を1〜3文で書き足してください。例:自分は◯◯卒で、受験資格があるか分からず協議会に電話した。聞いてしまえば5分で終わった。)
判定に迷ったときの相談先
- 受験資格そのものの判定・必要書類:全国保育士養成協議会 保育士試験事務センター
- 知事認定が必要な施設での実務経験:勤務先の所在地の都道府県(保育担当課)
- 在学中の単位・卒業見込みの証明:在学校の教務課
グレーな判断をネット記事で済ませると、申請が受理されずに1回分の試験機会を失います。当サイトの表はあくまで下調べ用です。最終確認は必ず全国保育士養成協議会 保育士試験公式サイトで行ってください。
よくある質問
高卒ですが、保育所以外の職場でも実務経験になりますか?
児童福祉法第7条に定める13種類の児童福祉施設であれば、そのまま実務経験として扱われます。それ以外の認定こども園・幼稚園・小規模保育事業・放課後児童クラブ・認可外保育施設などは、都道府県知事の認定を受けることで対象になる場合があります。認定は受験申請の前に済ませる必要があるため、早めに都道府県の担当課へ確認してください。
大学を中退しましたが受験できますか?
2年以上在学し、62単位以上を修得していれば受験できます。卒業しているかどうかではなく、在学期間と修得単位数で判定されます。中退した大学から成績証明書を取り寄せて、修得単位数を確認してください。
受験資格があるかどうか、自分で判断していいですか?
自己判断は避けてください。受験資格の有無は全国保育士養成協議会が提出書類をもとに判定します。とくに専門学校卒・在学中・実務経験ルートは条件が細かく、当てはまると思って申請したら認められなかったという例があります。手引きを読んでも判断がつかない場合は事務センターに問い合わせるのが確実です。
