年号問題は、社会的養護・子ども家庭福祉・社会福祉・教育原理のどこでも出ます。しかも聞かれ方は決まっていて、「AとBはどちらが先か」「この法律は何年に制定されたか」「この時期に成立していないものはどれか」の3パターンです。どれも並び順が頭に入っていれば取れます。
逆に、年号を単独で丸暗記すると使えません。年号は「年」「法令名」「一言でいうと何が変わったか」の3点セットで持つ。以下の表はその形にしてあります。
国際の流れ:4つだけ押さえる
| 年 | 出来事 | 一言でいうと |
|---|---|---|
| 1924 | 児童の権利に関するジュネーブ宣言 | 国際連盟で採択。児童の権利を国際的に宣言した最初の文書 |
| 1959 | 児童権利宣言 | 国連が採択。「児童は最善の利益について最高の考慮を払われる」 |
| 1989 | 児童の権利に関する条約(子どもの権利条約) | 国連が採択。宣言から条約へ。意見表明権など能動的権利を規定 |
| 1994 | 日本が条約を批准 | 国内で効力を持つのはここから |
国際4点の覚え方
年号を単独で覚えるより間隔で覚えます。ジュネーブ宣言(1924)→35年後に児童権利宣言(1959)→30年後に条約採択(1989)→5年後に日本が批准(1994)。「35・30・5」と唱えれば、どこか1つを思い出せば全部復元できます。
引っかけポイント
採択1989年/日本の批准1994年を入れ替える選択肢は定番です。「日本は1989年に子どもの権利条約を批准した」は誤り。また、1959年は宣言であって条約ではありません。宣言には法的拘束力がなく、条約にはある——この違いも問われます。
日本の流れ①:戦前
| 年 | 法令・出来事 | 一言でいうと |
|---|---|---|
| 1874 | 恤救規則 | 日本最初の救貧法。対象は極めて限定的 |
| 1900 | 感化法 | 感化院を制度化。留岡幸助らの実践が背景 |
| 1922 | (旧)少年法 | 少年の保護処分の枠組み |
| 1929 | 救護法 | 恤救規則に代わる救貧制度(世界恐慌の年) |
| 1933 | (旧)児童虐待防止法/少年教護法 | 感化院が少年教護院に改称 |
| 1937 | 母子保護法 | 貧困母子への扶助 |
戦前の語呂
嫌な世(1874)の恤救規則/感化法は20世紀ちょうど(1900)/世界恐慌(1929)と同じ年に救護法/戦(いくさ・1933)が近づき、旧・児童虐待防止法
日本の流れ②:戦後から平成まで
| 年 | 法令・出来事 | 一言でいうと |
|---|---|---|
| 1947 | 児童福祉法(12月12日公布) | すべての児童を対象にした最初の法。教育基本法・学校教育法も同年 |
| 1951 | 児童憲章(5月5日)/社会福祉事業法 | 児童憲章は法律ではなく宣言 |
| 1961 | 児童扶養手当法 | ひとり親家庭への手当 |
| 1964 | 母子福祉法/特別児童扶養手当法 | 母子福祉法は現在の母子及び父子並びに寡婦福祉法 |
| 1965 | 母子保健法/保育所保育指針(初) | 母子健康手帳・乳幼児健診の根拠 |
| 1971 | 児童手当法 | 手当3法がそろう |
| 1990 | 1.57ショック | 前年の合計特殊出生率1.57が判明。少子化対策の出発点 |
| 1994 | エンゼルプラン/条約批准 | 初の総合的な少子化対策 |
| 1997 | 児童福祉法改正 | 教護院→児童自立支援施設、児童家庭支援センター創設 |
| 2000 | 児童虐待防止法/社会福祉法 | 社会福祉事業法を社会福祉法に改称。措置から契約へ |
| 2003 | 次世代育成支援対策推進法/少子化社会対策基本法 | 自治体・事業主に行動計画を義務づけ |
| 2004 | 発達障害者支援法 | 発達障害を法律上に位置づけ |
| 2006 | 認定こども園法/教育基本法全部改正 | 教育基本法は1947年制定→2006年に全部改正 |
| 2012 | 子ども・子育て支援法(関連3法) | 2015年度から子ども・子育て支援新制度が施行 |
| 2013 | 子どもの貧困対策の推進に関する法律 | 貧困対策を法定化 |
| 2016 | 児童福祉法改正 | 第1条に児童の権利に関する条約の理念を明記 |
| 2017 | 新しい社会的養育ビジョン/保育所保育指針改定 | 指針は2018年度施行 |
日本の流れ③:令和の最新
| 年 | 法令・出来事 | 一言でいうと |
|---|---|---|
| 2022 | こども基本法(6月22日公布)/児童福祉法等改正(法律第66号) | こども施策の基本法が成立 |
| 2023 | こども基本法施行・こども家庭庁発足(4月1日) | 保育行政の所管は厚生労働省ではなくこども家庭庁 |
| 2024 | 改正児童福祉法施行(4月1日) | こども家庭センター設置、里親支援センターを児童福祉施設化、児童発達支援センターの類型一元化 |
| 2026 | こども誰でも通園制度の本格実施 | 全市町村で実施 |
引っかけポイント
所管はこども家庭庁です。2023年4月1日発足以降、保育・児童福祉の多くを厚生労働省から移管しています。古い教材の「厚生労働省が定める」という記述をそのまま覚えていると、そこを狙われます。もうひとつ、こども基本法は2022年公布・2023年施行。公布年と施行年を入れ替える選択肢が作られます。
最重要3つの語呂
この3つだけは絶対に落とさない
行くよな(1947)、児童福祉法
行く恋(1951)、こどもの日に児童憲章
行く行くよ(1994)、子どもの権利条約を批准
| 語呂 | 年 | 対応する事項 |
|---|---|---|
| 行くよな | 1947 | 児童福祉法(12月12日公布) |
| 行く恋 | 1951 | 児童憲章(5月5日制定、法律ではない) |
| 行く行くよ | 1994 | 児童の権利に関する条約を日本が批准 |
| ミレニアム | 2000 | 児童虐待防止法/社会福祉法 |
| ゼロ・サン | 2003 | 次世代育成支援対策推進法/少子化社会対策基本法 |
| ワン・ツー | 2012 | 子ども・子育て支援法 |
| 兄さん | 2023 | こども家庭庁発足・こども基本法施行 |
りわさんメモ
(ここに、りわさん自身が受験したときの実感・失敗・工夫を1〜3文で書き足してください。例:年号をバラバラに覚えていたときは全部落とした。1枚の年表に書き写して、上から順に指でなぞる形にしたら定着した。)
覚え方の順番
- まず国際4つ(1924/1959/1989/1994)を間隔で入れる
- 次に戦後の柱4つ(1947/1951/2000/2023)を語呂で入れる
- そのあいだを埋める形で、細かい年号を足していく
- 最後に「AとBはどちらが先か」を自分に出題して確認する
法令の公布年・施行年は改正で動きます。数字は必ず一次情報で確認してください。
よくある質問
年号は西暦と和暦のどちらで覚えるべきですか?
西暦を軸にして、和暦は主要なものだけ添える形をおすすめします。出題は西暦・和暦のどちらでも書かれますが、前後関係を判断するには西暦のほうが扱いやすいためです。ただし「令和4年改正児童福祉法」のように和暦で通称化しているものは、和暦のまま覚えたほうが早く引き出せます。
児童憲章は法律ですか?
法律ではありません。1951年5月5日に児童憲章制定会議で定められた宣言です。法的拘束力を持つ法律とは性格が異なります。「児童憲章は法律である」「国会で制定された」といった選択肢は誤りになります。制定日が5月5日(こどもの日)である点もあわせて問われます。
細かい年号まで全部覚える必要はありますか?
全部を単独で覚える必要はありません。出題の多くは「どちらが先か」を問う形なので、正確な西暦より順序が重要です。この記事の表を上から順に読み返して並び順を体に入れ、そのうえで最重要の1947・1951・1989・1994・2023だけ数字を確定させる、という優先順位で足ります。
