「物価の優等生」と呼ばれてきたもやしに異変が起きています。大手のもやし生産業者が事業を停止し、野菜を山盛りにするラーメン店などでもやしの“争奪戦”が起きていると、10月14日に複数のテレビ局が報じました。
なぜもやし業者がやめていくのか、スーパーの値段はどうなるのか。生産者の数の変化と、原料・売値のねじれを図で整理しました。家計の比較に使える「100gあたり価格」の計算ツールも付けています。
- もやし生産業者は17年で235社→86社と約6割減。大手の事業停止で業務用の供給がひっ迫
- 背景は原料の緑豆の高騰(1995年の3倍超)と燃料費の上昇なのに、小売価格は同じ期間に2割以上下がった「薄利多売」
- 業界団体は以前から価格への理解を求めている。今後、店頭価格や品ぞろえに影響が出る可能性がある
何が起きている? もやし「争奪戦」のニュース
FNNプライムオンラインは10月14日、業界トップクラスの生産業者が事業を停止したことで、ラーメン店などでもやしの“争奪戦”状態になっていると報じました。テレビ朝日(ANN)も同じ日に「生産者の廃業・倒産が相次ぎ、野菜山盛りのラーメン店が悲鳴を上げている」と伝え、原因として薄利多売の構造と燃料費の高騰を挙げています。
もやしを大量に使う「野菜マシ」系のラーメン店では、仕入れ先の変更や量の調整を迫られる店も出ているとされます。家庭向けのスーパーの店頭でも、地域によっては品薄や値上げにつながる可能性があります。
生産者は17年で約6割減
FNNによると、もやしの生産業者は17年間で235社から86社に減りました。減った割合は約63%で、残っているのは当時の約37%にすぎません。
なぜもやし業者はやめていくの?
原料は3倍以上、売値は2割以上安く
もやしの主な原料は、中国産などの緑豆(りょくとう)です。工業組合もやし生産者協会は2021年12月、流通関係の団体に「もやし生産者の窮状について」という文書を送り、価格への理解を求めました。日本食糧新聞によると、当時の時点で原料価格は1995年の3倍以上になった一方、小売価格は同じ期間に2割以上下がったとされています。
| 項目 | 1995年ごろ→2021年ごろ | 生産者への影響 |
|---|---|---|
| 原料(緑豆) | 3倍以上に上昇 | コスト増 |
| 小売価格 | 2割以上の下落 | 収入減 |
| 燃料(ボイラー)・包装袋 | 上昇 | コスト増 |
| 人件費・人手 | 上昇・不足 | コスト増 |
「1袋30円前後」が続いてきた理由
もやしは1週間ほどで育ち、工場で一年中つくれるため、スーパーの「目玉商品」として安く売られることが多い野菜です。岡山県の生産者を取材したKSB瀬戸内海放送の2022年の報道でも、もやしは1袋30円前後で売られ、生産者は「何もかも上がって利益が少しずつ減っている」と話しています。値上げをしにくい中でコストだけが上がり、体力のない業者から撤退が進んできた形です。
スーパーのもやしは値上がりする?
2026年10月15日時点で、全国一律の値上げが発表されたわけではありません。ただ、生産者が減ると、残った業者に注文が集中し、店頭での品薄・量の変更・値上げが起こりやすくなります。安さの比較は「1袋の値段」ではなく、100gあたりの値段で見ると、量が違う商品や代わりの野菜とも比べやすくなります。
100gあたりいくら? 野菜コスパ比較ツール
お店の値札の「価格」と「内容量」を入れると、100gあたりの値段を計算して安い順に並べます。もやしと、キャベツ・豆苗など代わりに使う野菜を比べるのに使えます。
初期値は計算例です(実際の値段は地域・店舗で違います)。お近くのお店の値札で比べてみてください。
もやしが手に入りにくいときの工夫
- 代わりの野菜:シャキシャキ感ならキャベツの千切り、豆苗、ニラ、えのきなど
- 家で育てる:緑豆を水に浸して暗い場所で育てると、1週間ほどで食べられる大きさになります(衛生管理に注意)
- まとめ買いは控えめに:もやしは日持ちしにくい野菜。買いすぎて捨てるより、必要な分だけ買うのが節約につながります
緑豆と容器がセットになった栽培キットなら、キッチンで手軽にもやしづくりを試せます。子どもの自由研究にも人気です。
※各ショッピングサイトに移動します。価格・在庫は販売店でご確認ください。よくある質問
もやしが不足しているのはなぜ?
生産業者の廃業や事業停止が相次いでいるためです。報道によると、業界トップクラスの業者が事業を停止し、業務用を中心に供給がひっ迫しています。
もやしの生産者はどれくらい減った?
FNNの報道によると、17年で235社から86社に減りました(約63%減)。
もやしは値上げされる?
10月15日時点で全国一律の値上げは発表されていません。ただ、品薄や値上げが起こりやすい状況です。店頭の価格を確認してください。
もやしの原料は?
主に緑豆です。業界団体によると、原料価格は1995年の3倍以上に上がっています(2021年時点)。
家でもやしを作れる?
緑豆を暗い場所で育てると、1週間ほどで食べられます。栽培キットも市販されています。清潔な容器を使い、こまめに水を替えましょう。

