保育実習理論のコードネーム問題は、「根音から半音でいくつ上か」というルールを覚えるだけで解けます。音感も、和声の理論も要りません。鍵盤の図を見て半音を数える、それだけの作業です。この記事では、コードの構成音の作り方を半音数のルールとして整理し、頻出コードの構成音一覧と転回形の扱いまでまとめます。
コードネームの構造
コードネームは「根音(ルート)+種類を表す記号」でできています。Am なら根音がA(イ)で種類がm(マイナー)、G7 なら根音がG(ト)で種類が7(セブンス)。まず根音の読み方を固めます。
| 英語音名 | C | D | E | F | G | A | B |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 日本音名 | ハ | ニ | ホ | ヘ | ト | イ | ロ |
| イタリア音名 | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ |
構成音は半音の数で決まる
コードの種類は、根音から何半音上の音を重ねるかで決まります。この表がコード問題のすべてです。ここでいう半音は、鍵盤で白鍵・黒鍵の区別なく隣に1つ動く距離のことです。
| 種類 | 表記例 | 根音からの半音数 | Cの場合の構成音 |
|---|---|---|---|
| メジャー(長三和音) | C | 0・4・7 | C・E・G |
| マイナー(短三和音) | Cm | 0・3・7 | C・E♭・G |
| オーギュメント(増三和音) | Caug、C+ | 0・4・8 | C・E・G♯ |
| ディミニッシュ(減三和音) | Cdim、C°、Cm(♭5) | 0・3・6 | C・E♭・G♭ |
| サスフォー | Csus4 | 0・5・7 | C・F・G |
| セブンス(属七) | C7 | 0・4・7・10 | C・E・G・B♭ |
| メジャーセブンス | CM7、CMaj7 | 0・4・7・11 | C・E・G・B |
| マイナーセブンス | Cm7 | 0・3・7・10 | C・E♭・G・B♭ |
| マイナーセブンス フラットファイブ | Cm7(♭5) | 0・3・6・10 | C・E♭・G♭・B♭ |
| ディミニッシュセブンス | Cdim7 | 0・3・6・9 | C・E♭・G♭・A(B♭♭) |
| シックス | C6 | 0・4・7・9 | C・E・G・A |
積み上げで覚えるともっと速い
三和音は「下から順に半音いくつずつ積むか」で覚えると、記憶量が半分になります。
| 三和音の種類 | 下の音程 | 上の音程 | 合言葉 |
|---|---|---|---|
| 長三和音(メジャー) | 半音4 | 半音3 | 4・3 |
| 短三和音(マイナー) | 半音3 | 半音4 | 3・4 |
| 増三和音(オーギュメント) | 半音4 | 半音4 | 4・4 |
| 減三和音(ディミニッシュ) | 半音3 | 半音3 | 3・3 |
セブンスは、この三和音の上にもう1つ音を足したものです。属七(C7)は長三和音の上に半音3を積む(合計10)、メジャーセブンス(CM7)は長三和音の上に半音4を積む(合計11)。マイナーセブンス(Cm7)は短三和音の上に半音3で合計10です。
引っかけポイント
数える起点を間違える人が非常に多い。根音は0から数えます。CからEまでは「C・C♯・D・D♯・E」と鍵盤を4つ移動するので半音4。「ドレミで3つ目だから3」と数えると全部ずれます。もうひとつ、ミ‐ファ、シ‐ドの間には黒鍵がありません。E(ミ)からG(ソ)は白鍵2つ分に見えますが半音3つ。ここを見落とすとEmとEを取り違えます。
頻出コードの構成音一覧
| コード | 構成音 | コード | 構成音 |
|---|---|---|---|
| C | C・E・G | Cm | C・E♭・G |
| D | D・F♯・A | Dm | D・F・A |
| E | E・G♯・B | Em | E・G・B |
| F | F・A・C | Fm | F・A♭・C |
| G | G・B・D | Gm | G・B♭・D |
| A | A・C♯・E | Am | A・C・E |
| B | B・D♯・F♯ | Bm | B・D・F♯ |
| B♭ | B♭・D・F | B♭m | B♭・D♭・F |
| E♭ | E♭・G・B♭ | A♭ | A♭・C・E♭ |
| セブンス | 構成音 | セブンス | 構成音 |
|---|---|---|---|
| C7 | C・E・G・B♭ | Cm7 | C・E♭・G・B♭ |
| D7 | D・F♯・A・C | Dm7 | D・F・A・C |
| E7 | E・G♯・B・D | Em7 | E・G・B・D |
| F7 | F・A・C・E♭ | FM7 | F・A・C・E |
| G7 | G・B・D・F | Gm7 | G・B♭・D・F |
| A7 | A・C♯・E・G | Am7 | A・C・E・G |
| B7 | B・D♯・F♯・A | CM7 | C・E・G・B |
主要三和音(Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ7)
伴奏を選ぶ問題では、その調の主要三和音が答えの中心になります。Ⅰ(主和音)・Ⅳ(下属和音)・Ⅴ7(属七の和音)の3つで、童謡の多くはこの3つだけで伴奏できます。
| 調 | Ⅰ(主和音) | Ⅳ(下属和音) | Ⅴ7(属七) |
|---|---|---|---|
| ハ長調(C) | C | F | G7 |
| ト長調(G) | G | C | D7 |
| ニ長調(D) | D | G | A7 |
| イ長調(A) | A | D | E7 |
| ヘ長調(F) | F | B♭ | C7 |
| 変ロ長調(B♭) | B♭ | E♭ | F7 |
| 変ホ長調(E♭) | E♭ | A♭ | B♭7 |
ここが出る
主要三和音は、主音から数えてⅣが完全4度上(半音5)、Ⅴが完全5度上(半音7)という関係です。調が変わっても関係は同じなので、表を丸暗記しなくても主音さえ分かれば導けます。曲の最後はⅠの和音で終わることがほとんどなので、伴奏を選ぶ問題では末尾から逆算するのも有効です。
転回形
和音は、構成音の順番を入れ替えても同じ和音です。一番下の音(最低音)が何かによって呼び方が変わります。
| 形 | 最低音 | Cの場合 | C7の場合 |
|---|---|---|---|
| 基本形 | 根音 | C・E・G | C・E・G・B♭ |
| 第1転回形 | 第3音 | E・G・C | E・G・B♭・C |
| 第2転回形 | 第5音 | G・C・E | G・B♭・C・E |
| 第3転回形 | 第7音 | (三和音には無い) | B♭・C・E・G |
転回形から根音を見つける方法
鍵盤図で3つの音が示され「これは何の和音か」を問われたとき、並びが転回形だと下から4・3で数えても答えが出ません。そこで使えるのが次のルールです。
- 三和音の3音を低いほうから並べ、隣同士の半音数を出す。
- 半音5(完全4度)の隙間があれば、その上の音が根音。
- 隙間が4・3や3・4しかなければ基本形で、一番下が根音。
例:E・G・Cという並びは、E→Gが半音3、G→Cが半音5。半音5の上にあるCが根音なので、これはCの第1転回形です。もう一例、E・A・Cなら E→Aが半音5、A→Cが半音3。半音5の上のAが根音でAm(第2転回形)。この一手で、転回形の引っかけはほぼ無効化できます。
出題のされ方と解く順番
| 出題の型 | 解く手順 |
|---|---|
| 鍵盤図から短三和音を全部選ぶ | 各選択肢の音を低い順に並べ、半音数を数える。3・4なら短三和音 |
| コードネームに合う鍵盤を選ぶ | 根音を決める→半音数の表で構成音を出す→選択肢と照合 |
| 楽譜の空欄に入る伴奏の組み合わせ | 調を判定→主要三和音を書き出す→旋律の音が含まれる和音を選ぶ |
| 和音を移調する | 根音を指定の半音数だけ移動。種類の記号はそのまま |
3つめの伴奏問題は、その小節の旋律の音がどの和音に含まれているかで絞るのが基本です。旋律がミの音なら、ミを含む和音はC(C・E・G)かAm(A・C・E)かEm(E・G・B)。そこから調の主要三和音に当てはまるものを選ぶ、という流れになります。移調の考え方は移調の解き方と共通です。
記号の書き方の揺れに注意
| 同じ意味の表記 | 種類 |
|---|---|
| CM7/CMaj7/C△7 | メジャーセブンス |
| Cm/Cmin/C− | マイナー |
| Caug/C+/C(♯5) | 増三和音 |
| Cdim/C°/Cm(♭5)(三和音) | 減三和音 |
| Cdim7/C°7(四和音) | 減七の和音 |
とくにdimは文脈によって3音の減三和音か4音の減七の和音かが変わります。問題では音の数(選択肢が3つの音か4つの音か)を先に見て、どちらを聞かれているか判断してください。
りわさんメモ
(ここに、りわさん自身がコード問題でつまずいた点と、覚え方の工夫を1〜3文で書き足してください。例:ドレミで数えていたせいで長短を毎回間違えた。半音の数だけで数えるようにしたら迷わなくなった。)
よくある質問
コードは全部覚えないと解けませんか。
覚える必要はありません。根音からの半音数のルール(メジャーは0・4・7、マイナーは0・3・7、セブンスは0・4・7・10)さえ持っていれば、その場で作れます。覚えるとすれば、白鍵だけでできる C・Dm・Em・F・G・Am・G7 の7つだけで十分です。残りはルールから導けます。
転回形は必ず出ますか。
毎回出るとは限りませんが、鍵盤図の選択肢に紛れ込む形で使われます。「下から4・3ではないから違う」と早合点すると落とします。3つの音の隣り合う半音数を数え、半音5の隙間があればその上が根音、という手順を持っておけば対応できます。
長三和音と短三和音の見分けだけ覚えれば足りますか。
過去問では短三和音を選ばせる形式が繰り返し出ているので、まずここを固めるのは正しい優先順位です。ただし伴奏を選ぶ問題では属七(Ⅴ7)が必ず絡むため、セブンスの構成音(0・4・7・10)まではセットで押さえてください。増三和音・減三和音は、余力ができてからで構いません。
