【保育士試験】教育原理でよくでる人物、これだけはおさえとこ(2)/デューイ・ヘルバルト・フレーベル

保育士試験

社会的養護とニコイチである教育原理ですが、わずか10問の出題の中で人物に関する問題が2~3問程度出題されます。

そこで人物名や著書、業績や名言など押さえておくべきポイントをまとめます!

今回はデューイ・ヘルバルト・フレーベルです!

では行ってみましょう!

デューイ(1859~1952)/アメリカ

アメリカ出身の哲学者

1894年、シカゴ大学で教鞭をとる中で「教育の実験・研究をする学校があってもよいのでは」と考え、「実験学校」を作ります。そこでの実践をまとめたものが著書「学校と社会」です。

デューイは教育の中心は教師や教科書ではなく子ども・児童であるとした「児童中心主義」を唱え、著書『民主主義と教育』の中でも「教育のすべては児童からはじまる」と述べています。

児童中心主義については「学校と社会」の中でも述べていて、「子どもが太陽」になる新しい教育環境の中で将来の経済を見据えた教育を受けさせるべきだという考えをもっています。

「問題解決学習」については日常生活で出会う具体的な問題をとらえて、能動的に解決しようとする学習法です。解決の過程を通して法則の理解や科学的思考などを習得していきます。今日の日本・世界の教育に影響をあたえた学習方法です。

▼覚えておきたいキーワード

「実験学校」「学校と社会」「問題解決習」「経験(活動)」「児童中心主義」

ヘルバルト(1776~1841)/ドイツ

ドイツ・オルデンブルクの生まれ。イエナ大学で学んだ、哲学者・心理学者・教育学者

ヘルバルトははじめて教育学を学問として確立させた人物です。

ヘルバルトは、著書「一般教育学」の中で、教育の目的は倫理学(人間のあり様を学ぶ学問)によって示され、教育の方法は心理学(心と行動の学問)によると論じています。

また、教育の目標は強固な道徳的品性と興味の多面性の陶冶にあるとした。(陶冶とは才能・性質などを練り上げて確立すること)

「教授の無い教育などというものの存在を認めないし、逆に、教育の無いいかなる教授も認めない」という名言を残しています。この「教授」(教え授けること)こそが「陶冶」であるとしています。

ヘルバルトが伝えた教授法は四段階教授法といい、(明瞭-連合-系統-方法)の4つからなります。

静的専心・・・明瞭 : 対象の限定によって意識の混乱を排すること
動的専心・・・連合 : 明瞭にされた対象をすでに習得させていた知識と結合、比較する
静的致思・・・系統 : 連合を経た知識を体系化
動的致思・・・方法 : 以上の段階を経た知識がほかの事象に応用可能になる

この四段階教授法はのちに弟子のツィラーとラインによって五段階教授法へと発展していきました。

▼覚えておきたいキーワード

「四段階教授法」「一般教育学」「教育学講義綱要」

フレーベル(1782~1852)/ドイツ

ドイツの教育者。幼児教育の祖と呼ばれた人物。

教師をしていたフレーベルですが、ぺスタロッチに影響を受け、彼の教育思想を学ぶために2年間学校に通います。その後、帰国し学校を設立します。

フレーベルの著書と言えば「人間の教育」

◎人間は幼いころから神が宿っており、行動には神から授かった能力が影響している。

◎あらゆる善は遊びの中にあり、そこから発展する。

◎幼児期に集中して遊ぶことが、人間のもつ能力を伸ばすことにつながる

こういったことを述べています。現在の保育にもつながる部分がありますね。

また、フレーベルは幼児教育の研究を重ねる中で遊びの道具として「恩物(Gabe)」を開発します。恩物は20種類ありますが、そのうち10種類は積み木のようなもので、円柱・立方体・三角柱・直方体の形をしています。

その後、世界初の幼稚園(キンダーガーデン)を設立し幼児教育への関心を広めていきます。

世界にも日本にもフレーベルに影響を受けた教育者は多くいます。

・関信三(1843~1880)

日本初の幼稚園(東京女子師範学校附属幼稚園)を設立し、その初代園長となる。欧州での勉強の際にフレーベル教育に出会い、幼稚園でもその理論を活かしていった。

・豊田芙雄(1845~1941)

女子高等教育の先駆者、日本の幼稚園教育の開拓者。東京女子師範学校附属幼稚園保母。日本の保育士第1号。松野クララからフレーベルの理論や保育内容を学ぶ。

・松野クララ(1853~1941)

フレーベルの保母学校で学ぶ。東京女子師範学校附属幼稚園の最初の主席保母。ドイツで自身が学んだフレーベル理論をもとに、日本の幼児教育の基盤整備に生かした。

・野口幽香(1866~1950)

日本の幼児教育者、社会事業家。貧困家庭の子どもたちのために二葉幼稚園を設立。フレーベルの理念を基本とし運営されていった。

・倉橋惣三(1882~1955)

「日本のフレーベル」ともいえる存在。東京女子高等師範学校附属幼稚園主事。フレーベルの教育思想を重視しながら「誘導保育」を提唱。

・デューイ(1859~1952)

アメリカ合衆国の哲学者。シカゴ大学附属小学校にてフレーベルの理論を用いて教育実践をおこなった。

▼覚えておきたいキーワード

「人間の教育」「キンダーガーデン」「恩物」『母の歌と愛撫の歌』(家庭向け育児書)

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