【保育士試験|解説】令和5年後期試験|社会福祉|問2

保育士試験

ここでは、令和5年後期保育士試験の問題について解説をします。

現時点では正答発表前ですので、個人の解釈として参考にしていただけます幸いです。

では、行ってみましょう!

問題|社会福祉の歴史

次のうち、社会福祉の歴史的な事柄に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×
とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。


A ベヴァリッジ報告では、貧困を生みだす5つの要因に対して、新たな社会保障システムを打ち出した。
B 「新救貧法」(1834(天保5)年)では、窮民の援助は、最下層の労働者の生活以下にとどめ、働ける者には強制労働を課した。
C 「恤救規則」(1874(明治7)年)では、血縁や地縁などの無い窮民に対してのみ公的救済を行ったが、救済の責任は、本来血縁や地縁などの人民相互の情誼によって行うべきであるとした。
D 「救護法」(1929(昭和4)年)では、保護の対象を 13 歳以下の幼者のみと規定した。

(組み合わせ)
  ABCD
1 ○○○×
2 ○×○×
3 ○× ×○
4 ×○○×
5 × ×○○

解答・解説

正解 1

A…○ B…○ C…○ D…×

A 〇 

ベヴァリッジ報告とはウィリアム・ベヴァリッジが示したイギリスでの社会保障制度を拡充するための報告のこと。ここでは貧困に関する五つの原因 (巨人) として貧困・疾病・ 不潔・ 無知・ 怠惰の5つがあげられており、その対策として社会保障を整備していきました。

イギリスにおける戦後の社会保障制度の土台となったものです。

B 〇

新救貧法の特徴は3つあり、①救済基準の国内統一、②労役場への収容と強制労働、③救済は労働者のうち最下層の賃金水準よりも低いものとする「劣等処遇の原則」があります。これらの内容を踏まえると、〇となります。

イギリスは社会福祉の発祥といわれ、エリザベス救貧法にはじまりさまざまな福祉政策がとられています。

イギリスにはじまりアメリカへ渡った、社会福祉の流れは要チェックです!

C 〇 

日本初の貧困者救済法である「恤救規則」。

国としては公的扶助の責任はなく、家族や血縁者に相互扶助を求めていました。

この制度で救済されるのは「無告の窮民」と呼ばれた家族や血縁者のない70歳以上・13歳未満や障害者・困窮者とされていました。つまり、救済されるのはごく少数の人のみだったということです。

 ×

「救護法」の保護の対象については「 13 歳以下の幼者のみ」ではなく、これに加えて、65歳以上の貧困で生活できないもの・妊産婦・障害者としていました。

「のみ」など、限定する文言を含む文章は誤りのことが多いです!

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